起業して最初のころは人件費を抑えるために、人を雇う=パート・アルバイトとなることが多いです。
でも、だんだん安定して収益が出せるようになってきたり、今よりももっと仕事を任せたい…と思うと、正社員などの選択肢を用意することになります。
ただ最近、私が人の雇用を考え始めた時、正社員とパートの違いってなんだろう…と悩んだので、考えたり調べたことを共有します。
もくじ
正社員とパートって、分ける必要ある???
そもそも、法律で調べたら、正社員とパートの違いは、勤務時間と契約期間の違いだけ。
例えば無期雇用で週40時間働くのが正社員、有期雇用でそれより少ない時間働くのがパート。
でも慣習的にはもっといろいろ違う気がしますよね。
何があるのかな…と分解して考えてみました。
正社員とパート:給与の違い
一般的な話になりますが…正社員は給与が高くて、パートは給与が安いイメージです。
そして、それは、そのとおり。
なぜなら、支払い方法や額面給与以外にも、賞与や福利厚生があるケースが多いからです。
正社員 | パート | |
---|---|---|
支払い方法 | 月給 | 時間給 |
賞与 | あり | なし |
福利厚生 | 厚生年金+健康保険+雇用保険+労働保険 | 労働保険(+雇用保険?) |
正社員とパート:勤務時間の違い
正社員はフルタイムで働く人、パートは一部の時間だけ働く人。
でも最近は【短時間正社員】という形態もあります。これってパートと何が違うのでしょうか…???
昔の日本的経営だったら、毎日残業・休日祝日出勤・転勤OKという【長く働いてくれる人】を確保するために正社員にしていたかもしれません。
でも普通に、業務は勤務時間内だけで残業なし、転勤なし、正社員もパートも自由に有給取得しているような会社ですと「正社員なんだから、もっと長く働け!」なんて指示する必要がないんですよね。
正社員とパート:仕事内容の違い
明確に分けている企業さんはわかりませんが、私のところはだいたい同じ。
雇用形態で違うというよりも、ジョブランク(リーダー・一般スタッフ)で違う。
仕事ができる/やりたい人にはどんどん任せていくスタイルですし、雇用形態で制限をかけることはありません。
そもそもお客さんからすると「今話しているのが正社員」「この対応したのがパート」というのは、全然関係ないことになります。
だとすると、仕事内容で報酬を分けるべきで、雇用形態で分けるのはおかしいですよね。
そもそも世の中に「責任感が必要ない仕事」なんて存在しません。
正社員とパート:経営者視点からの違い
経営者からすると、正社員雇用はリスクが高くて、パート雇用はリスクが低いです。
同じ仕事をしてもらうなら、楽な手続きで安く雇えて、簡単に人員調整できるパートばかりにしたくなる気持ちは、とても理解できます。
正社員 | パート | |
---|---|---|
辞めさせやすいか | 無期(難しい) | 有期(かんたん) |
支払う人件費 | 額面給与+福利厚生+賞与(高い) | ほぼ額面給与(安い) |
保険加入手続き | あり(面倒くさい) | なし(楽) |
正社員にするのであれば無期雇用で、金銭的・時間的な投資額が大きくなるので、そもそものポテンシャルが高くて、今もそれなりに仕事のスキルも高い人。投資金額が回収できるまで辞めそうにない人…と、正社員雇用のハードルがあがります。
ただ、正社員並みの給与を払うなら、業務委託やフリーランスのほうがよい成果を期待できることが多いので、正社員を雇う理由がわからなくなるのです…。
これからの正社員雇用のカタチ
法律的にOKかどうかはわかりませんが、私が考える正社員雇用のカタチは、今の正社員・パートの考え方と逆です。
正社員は、長期雇用を約束する代わりに、抑えめの給与(月給)で支払う。
パートは、雇用が約束されない代わりに、高い給与(時給)で支払う。
正社員 | パート | |
---|---|---|
辞めさせやすいか | 無期(難しい) | 有期(かんたん) |
支払う人件費 | 少し抑えた給与(安い) | 正社員の社会保険料分など割増(高い) |
こうすれば、まだスキルがなくて安い給与だけど安定して働ける正社員、不安定だけどその分スキルを生かして給与が高いパートという風に、分けられるんじゃないかな、と思います。
いろいろな事情で【長く働けない】ことだけを理由に、企業内で安く使われるパートっておかしいと思うんですよね。
ただ、こういったことを実現しようとすると、いろいろ法律的に引っかかるところが出てくるのもわかっています。(社内で取り入れれようとしたときに、何度も壁にぶつかったり、理不尽な制度にもどかしい思いをしました)
せめて自分の会社だけでも、もっと働く人が自由に、楽に、楽しく働けるシステムを作りたいな、と思います。