小さな会社 お金と節税

フリーランス(個人事業主)法人化のタイミング

たくさんのフリーランス(個人事業主)の方とお付き合いをしてきましたが、皆さん悩んでいるのが「法人化」のタイミングです。

フリーランス(個人事業主)は手軽に事業がはじめられますが、法人化(法人成りとも言います)するのは、手間や費用がかかるため、躊躇される方が多いです。
人は現状維持バイアスが働くため、今のままでも問題がないのであれば、わざわざ面倒くさい法人化なんかしなくても…と思うのは当然です。

特に法人成すると①初期費用で20万円、②毎年法人住民税が最低7万円、③税理士報酬が高くなるなど金銭面の負担が目に付き、損をするのでは…と不安になります。

法人成りしたほうがいいのか?個人事業主(フリーランス)のままがいいのか…
私が実際に法人成りをするときに考えたことを共有します。

 

もくじ

一人法人(ひとり社長)がいいのか、個人事業主(フリーランス)がいいのか

細かい税金の違いなどはありますが、私が法人設立か個人事業主か選ぶ基準は、①社会的信用、②今後の売上見通しの2つです。

決め手1:社会的な信用度

例えば私は20代で起業しました。

取引先は、保守的な業界で、自分より20歳も30歳も年上の男性ばかりです。
そんな中で20代の女性が「起業しました」と言っても、信用されないのが目に見えています。

ですので、私は起業当初から法人設立をして、ひとり社長になりました。

 

決め手2:今後数年先の売上予測

しばらく赤字が続きそう

法人のメリットは赤字が9年間繰り越せることです。
今から事業を始めるけれど、しばらくの間は赤字続きになりそう…。でも、数年後にはしっかり黒字になりそうだ!という場合は、迷わず法人を選びます。
そうすれば赤字(損失)をためておけて、黒字になっても税金を払わずに済むからです。

 

収支がトントンか、少し黒字が続きそう

この場合は、少し判断が難しいです。
法人だと「退職金積立」「出張旅費」「事務所や社用車の経費化」ができるので、これらが使えそうなら早めに法人にするのもアリです。
また夫婦で一つの事業をしているのでしたら、法人にして「厚生年金加入」&片方を扶養控除内に抑えるのもアリです。

  • 利益を老後のために貯金している
  • お客さんのところへ出かけていって打ち合わせすることが多い
  • 家が賃貸/自家用車を持っている
  • 夫婦で事業をしている

この場合、私なら年間の利益が500万円程度になれば法人化します。

 

1000万円以上の売上がしばらく続きそう

法人成りすると、2年間は消費税の支払いが免除されます。

例えば個人事業主で2年間1,000万円以上の売上が出たら、その翌年から法人成りすればさらに2年分消費税が免除されます。
売上が1000万円だとすると年間で100万円。2年間で200万円の益税が出ます。

この場合、個人事業主(フリーランス)で売上を1000万円以上あげておいて、消費税の支払い義務が発生するタイミングで法人成りすると、受取消費税分お得になります。

 

まとめ

特に急いで社会的な信用を必要としていなければ、今後の売上見通しによって、法人成りするかしないかを選べばよいです。

1人で年収(年商ではなく)500万円以下が続くのであれば個人事業主(フリーランス)がいいです。

1000万円以上の売上が毎年立つような場合は、気にせず法人成りすることができると思いますが、
赤字が続いていたり、黒字額があまり多くなかったりすると、法人成りするのは怖いと思います。

ただある程度利益が出る仕事をしているのであれば、金銭的なメリットは大きいので、法人成りはおすすめの方法です。

もう一つの考えとして、会社の精算手続きは少し面倒なので、長く仕事を続けないのであれば、気軽に事業をたためる個人事業主(フリーランス)という選択肢もありだと思います。

-小さな会社, お金と節税

© 2021 ママ社長のしごと術