もくじ
自分ひとりで起業した場合、どのくらいの売上を目指したらよいか
「1000万円稼ぐ!」「1億円売りました!」という言葉が、本やネットの中に並びますが、売上と利益をごっちゃにしないことが一番大切です。
月100万円売り上げても、仕入れに60万円、販管費(家賃や手数料、運送費など)に30万円かかっていたら、10万円しか手元に残りません。
月商(売上)100万円でも、月収(利益)10万円なんです。
大切なのは売上高ではなく、「どれだけ利益が出たか(=手元にお金が残っているか)」です。
「自分の給与の3倍」が目安
とはいえ、どんな業種で起業しているかによりますが、ひとり法人・フリーランスとして自分の知識・スキルで商売しているのであれば、おおよそ当てはまる公式があります。
一つの目安は「自分の給与の3倍の粗利」です。
ちなみに粗利とは、売上から原価(仕入れ)を引いた金額です。
人件費(自分の給与)+経費(備品や外注費、家賃など)+保障(退職金や福利厚生)
ひとり社長だからそんなに経費はかかっていないよ…と思うかもしれませんが、実際に起業してみると、意外と細々とした費用が発生していきます。
経費がほとんど発生しない、コンサルタントやIT業種でしたら、2倍くらいでもいいかもしれません。
また、保障って!?と思われるかもしれませんが、この感覚も大事です。
サラリーマンなら、仕事でケガをすれば労災、仕事以外のケガや病気で仕事を休めば傷病手当金、病気になれば辞めれば失業保険…とさまざまな国の保障が受けられますが、ひとり法人・フリーランスだとこんなに手厚い保障は受けられません。ひとり法人・フリーランスには退職金もありません。
会社員であれば受けられる保障部分も、自分で確保しておく必要があります。
自分がほしいと思っている給料の3倍は粗利が必要…と覚えておくと、便利だと思います。
ひとり社長が稼げる金額の目安は?
ビジネスの仕組みを作るのではなく、自分ひとりの知識やスキルで稼げる金額…というのは、ある程度の限界があります。
「金持ち父さん、貧乏父さん」に出てくる収入モデルを見たことはありますか?
- E:Employee(労働者)
- S:Self employee(自営業者)
- B:Business owner(ビジネスオーナー)
- I:Investor(投資家)
の4つで表される収入モデルです。
ひとり社長が当てはまるのは「S:Self employee(自営業者)」です。
フリーランス、ひとり社長、医師や弁護士もここに当てはまります。
ひとり法人・フリーランスが稼げる金額の目安
私自身、ひとり法人として10年以上経営を続けてみて思うのは、「S:Self employee(自営業者)」としての労働収入限界は3000万円です。
最初にお話した粗利(売上−仕入)の公式で考えると、1人で1億円くらいの売上。
医師一人あたりの売上は1億円といいますし、実際に開業医や弁護士の平均時給が3万円くらいです。
スキルを売る「S:Self employee(自営業者)」の時給は1~3万円くらいというのは、妥当な金額かな、と思います。
売上や利益以外に大切な要素
売上や利益だけでなく、稼ぐ力の指標として、他にも大切な要素はあります。
- 売上先(取引先)の数
- 利益を上げている事業の数
- 新規顧客獲得率、リピート率
なども、継続的にひとり法人・フリーランスとして仕事を続けるためには、大切な要素です。
こちらについては、別の機会にお話してみたいと思います。